NHK人間講座<96>2010.11.29.盛岡タイムス

 03年~04年頃、NHK教育TVで放送した人間講座という、一人につき8週(8回)の番組に、僕が高校生だった頃から好きになり、ずっとファンでありつづけてきた作家の五木寛之さん。僕が高校卒業と同時に始めたレコードコンサートの最終年(74年)に出会って以来ファンでありつづけてきた、ジャズピアニストの穐吉敏子さんの二人が続けて登場した。

 その講座のテキスト本「私のジャズ物語」が、穐吉さんから私に届けられたのは、放送開始一週間前の04年6月1日でした。つまりNHKが穐吉さんに贈った本を、穐吉さんが更に僕に宛てニューヨークの自宅から送ってくれたのでした。

 内容は「ジャズに魅せられて」「ジャズとは何か」「バド・パウエルとの出会い」「わが心の師デューク」「巨人たちの思い出」「私を支えてくれた二人」「ジャズを愛する人々」「ジャズの心・日本の心」というもの。

 第一話、満州から引き揚げ、ピアニスト求むの貼り紙を見つけて以来、渡米までの10年間の、九州及び東京でのジャズ生活。第二話は、ジャズの語源や、生まれ方、そしてスイングしなけりゃ意味がないジャズの言葉。

第三話、「米軍ラジオ局の番組で聴いた曲、ボディ・アンド・ソウルを問い合わせたら、その後の彼女のスタイルを決定づけることになった“バド・パウエル”だったこと。第四話は、初めて聴いた“デューク・エリントン”の演奏が騒音のようで何だかわからなかったのが、その深味がわかる大人になった自分を語り、彼の音楽がいかに黒人の伝統に根付いているかという内容に、彼女もまたハット我を見つけたという話。

第五話、「マイルス。ピーターソン。ペティフォード。ガレスピーたちとの交流。第六話は、夫・ルー・タバキン氏とピアノのジョンルイス氏が彼女が岐路に立った時の支えになった話。

第七話、ジャズファン、プロモーター、エージェント、ジャズクラブの人々の話。そして第八話は、ジャズの心と日本の心、自分の心の未来について語った。

その第七話には僕の名前も登場していてビックリしたのを覚えている。