オーロラの磁場、麦の秋<33>2009.8.31.盛岡タイムス

 「ピアノより涌くオーロラの磁場に居る穐吉敏子はいつまでも少女」の短歌は、08年5月6日「開運橋のジョニー」で行われた穐吉敏子さんのジャズ・ピアノ・ソロ・ライブを聴いた、歌人の小泉とし夫さん(81歳)が詠んだ歌だ。

  小泉さんは、05年8月26日の「オリジナル・たんか・ろうどく」を皮切りに、今までに10回余りの「口語短歌の朗読ライブ」を、ギターやピアノ、尺八やドラムの生演奏をバックに、ジョニーで開き続けている。

  番外編としては、小泉さんの短歌をジョニー照井(僕)の左手による、書にて表現する展示(06年6月、盛岡市立図書館)、(09年7日、名曲喫茶・これくしょん)の両会場においても、その期間中に伴奏付朗読会を行って、集まった人々に感動を与えた。

  その小泉さんは、09年6月6日、ホテル・ルイズで行われた穐吉敏子・ルータバキン、結婚40周年記念・ヴィンテージ・ライブ&パーティーの席上にて、先の一句と新たに詠んだ「TenTenの毬(まり)を追いかけ ころげゆく 穐吉さんの小犬は遊ぶ」。の二首を、朗読披露して拍手喝采(かっさい)を浴びた。

  ご存知のようにTenTenとは、童謡「鞠(まり)と殿様」に出てくる詩の一節ですが、この曲をモチーフにして書いた穐吉さんのオリジナルで、彼女のソロステージでは、かなりの頻度で演奏され、かわいらしいので、人気度の高い曲。00年3月のワシントンDCのケネディセンター・コンサートの時にはアンコール曲として弾き、日本を印象づけた。

  09年3月からNHKカルチャー・センターの講座「ジャズの魅力への招待」と題して、ジョニーで僕が講師を務めているところの歌人の受講生「菊・十音」さんは、今年、先の穐吉、ルー・デュオを聴き「迎え梅雨ルーとスイングジャズライブ」「サックスもピアノも唄ふ麦の秋」「ジャズデュオのホープへつなぐ青野かな」の三首を詠んで僕に託してくれたので、僕は店の7・8月のライブスケジュール表の「書」に使用させて頂いた。