再会の感動、そして希望<44>2009.11.16.盛岡タイムス

 皆、20~30年ぶりの再会だった。思わず顔を見合わせ、どちらからともなく、自然に抱きつきあって再会を喜んだ。09年11月13日、開運橋のジョニーで行われた。岡田勉カルテットの面々が、店に着いた時の光景だ。

  ベース・岡田勉。サックス・峰厚介。ドラム・村上寛。皆それぞれの楽器部門で、日本を代表する一人の面々である。これに本来ならピアノ・本田竹広が加わっているはずだが、彼は故人になっていて、僕にとっては見知らぬ、関西ピアノの後藤浩二でのカルテット。その気迫に満ちた演奏は、素晴らしいものだったし、知らなかった後藤氏には、特にも興味を持った。

  終演後。峰(ミネラル)的な、時の流れを感じさせられたりしたけど、10月15、16日とジョニーに、プライベートライブをプレゼントして帰って行った。世界のアキヨシこと穐吉敏子さんの話に及んだ。ドラムの村上寛さんは、何しろ穐吉さんが日本人とプレイするとき、必ず指名される。いわば、日本版の穐吉敏子トリオのメンバーなのである。ベースは、鈴木良雄さん。あの2日後。千葉県でそのトリオでの演奏会があり、ジョニーで、穐吉さんが練習した、鈴木さんの曲ウィングスも演奏していたという。

  さらには05年の朝日賞受賞記念コンサート(同じトリオ・プラス・ルーさん)を美智子皇后さまが聴きに来られたときの接見の裏話なども聞かせてくれた。穐吉さんの前では僕たちがそうであるように、穐吉さんも、皇后の前では直立不動。あんな穐吉さんの顔は見たことがなかったと村上寛さん。

  その話、聞き終えて顔を上げると、目の前に6月6日、穐吉敏子さんとルータバキンさんの結婚40周年記念のコンサート&ディナーの席上で、穐吉さんが作曲し、谷川俊太郎氏が作詞した広島組曲の最終章曲、ホープ(希望)を歌い演奏した金本麻里(ヴォーカル)と大森彰(ギター)の2人が顔をそろえていた。そこで、せっかくだから歌って!と僕が言い、歌が始まると、村上さんはドラムに座ってブラッシングしてくれたのでした。感激!。