復活!ジャズオーケストラ<74>2010.6.14.盛岡タイムス

 穐吉敏子ジャズオーケストラを再編して、10年10月に中国行く事になったと、以前に穐吉さんから聞かされていた。それによれば大連、北京、上海の三公演とのことだった。

 その話を僕は藍画家・菊池如水さんの個展会場にいらした如水さんの息子さんでシナリオ・ライターの菊池豊さんに話したのは昨年の秋。そのツアーの追っかけを、テレビかなんかで出来ないだろうかと、相談したのだった。

 東京へ戻ってから、そのことを関係機関にあたってみたら、すでに映像を含めた企画で話が進んでいるみたいだと、後日電話で彼からの報告だった。

 そうこうしているうちに、今度は穐吉さんのドキュメンタリーを撮る話が回って来て、僕がそのシナリオを書くことになったと、豊さんからの電話。その後彼は、映画監督の池谷薫氏と連れ立って、穐吉さんについての話を聞きたいと、開運橋のジョニーにやって来たのは10年5月20日の事。

 池谷氏は中国との関わりの深い監督で「蟻の兵隊」や「延安の娘」などで知られている方。穐吉さんについての話は一夜で終わらず二日目の夕方まで続いて話し合った。彼が穐吉敏子にこだわっている原点は、なんと、ミナマタ病テーマにした作品「インサイツ」であった。その頃を中心に据えたいのだとも。

 先の帰国公演時に、穐吉さんと直接その事について話し合いを持ち、来11年1月にインタビューをニューヨークで撮る約束を頂けたと池谷さんからの電話。すぐ浮かんで来たドキュメンタリー・ジャズ映画は「グレンミラー物語」「ビリーホリディ物語」であるが、そう、100年後にも残る「トシコアキヨシ物語」が出来るのだと思うと、目頭が熱くなる。

 それはさておき、10月の中国公演は全日空が主催することから、日本からのツアーも企画されているようですが、惜しいかな大連コンサートは中止となり、15日の北京。17日の上海。大連の代わりといってはなんだが、18日一回だけの日本公演が決まった。所は東京の浜離宮朝日ホール。僕も私もと、すでに盛岡から10人の挙手。